top of page
検索

相続財産管理人という仕事

  • ookoo-ro
  • 2024年12月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年12月26日

先日、テレビ番組の一コーナーで、生ハムの製造販売をしている企業の紹介を見た。

美味しそうだったので、妻と、ナビを頼りに向かったが、夕方、細く、うら寂しい田舎道を行くうちに、昔、その道を走ったことがあるような感覚になった。。

ようやく店舗にたどり着くと、300坪はありそうな広大な敷地にコンテナ風の店舗と肉の加工場らしき建物があった。

やはり以前訪れたような記憶があったが、その当時の記憶では、その一帯には竹林が生茂り、竹林に飲み込まれそうな小さな廃屋が一棟ポツンとある状況だった。

気になったので、先日、私が過去に相続財産管理人をしたときの事件記録を書庫から引っ張り出してみた。

まさしくその土地は、私がかつて相続財産管理人として、売却した廃屋と竹林だった。

相続財産管理人とは、死亡した人に相続人が誰もいない場合に、裁判所から選任されて、死亡した人の全財産「遺産」をお金に換えて、国に納めることを仕事とする人で、私は、その廃屋で孤独死した身寄りのない男性の相続財産管理人に選ばれたのだった。

その男性には、遺産として、一人で住居していた廃屋とその敷地の竹林の土地、数百万円の預金、納骨堂の骨壺があった。

私は、預金を払い出し、その一部を使って業者に委託して廃屋を解体し、竹林を伐採し、更地にして、売却し、お金に換えた。

一番手間取ったのは、骨壺の処理だった。

遺骨の永代供養を引き受けてくれるお寺を探し、市役所に行って遺骨を移動させることの許可をもらい、納骨堂の管理組合の責任者に立ち会ってもらい、骨壺5つほどを取り出し、私の車に乗せて、搬出し、数日後の予約日に、引き受け先のお寺みに運び込み、住職と二人で、お祓いを済ませ、お骨だけを取り出して合葬墓に納め、お寺で引き取りを断られた空の骨壺は、数日間、私の車の後部座席に積んだ後、クリーンセンターに持ち込み、処分した。

その翌朝、私の左目が腫れ上がった。

今回の生ハム工場の件は、相続財産管理人の仕事を振り返る機会を与えてくれた。

 
 

最新記事

すべて表示
「モームリ」の摘発

退職代行サービスの提供で近年急成長を続けていた会社に強制捜査のメスが入った。 (1)弁護士の資格がないのに報酬を得る目的で法律事務を取扱う(報酬をもらって、労働者に代わって退職の手続きをする中で、使用者と残業代などの請求をして交渉するなど)行為と(2)報酬を得る目的で、弁護士に法律的な事務を紹介する行為を行った疑いが持たれているようだ。 これらの行為は非弁行為といわれており、2年以下の拘禁刑または

 
 
英語が話せたら

1泊2日で大阪万博、大阪城、太陽の塔で有名な万博公園を回った。 宿泊先のホテルを含め、とにかく外国人の割合が多かった。 ホテルの大浴場でサウナを堪能し、脱衣場で服を着ていると、30代とおぼしき白人男性が入ってきて、キョロキョロ辺りを見回していた。 その外国人が...

 
 
DNA型鑑定不正問題とNシステム

佐賀県警の科学捜査研究所の職員がDNA型鑑定に関して過去7年間で130件もの不正を行なっていたことが報道された。 DNA型鑑定の結果を有罪判決の決定的な理由とした判決は山ほどある。裁判官はDNA型鑑定の結果に絶大な信用を置いているのだ。 ...

 
 
bottom of page