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DNA型鑑定不正問題とNシステム

  • ookoo-ro
  • 9月22日
  • 読了時間: 2分

佐賀県警の科学捜査研究所の職員がDNA型鑑定に関して過去7年間で130件もの不正を行なっていたことが報道された。

DNA型鑑定の結果を有罪判決の決定的な理由とした判決は山ほどある。裁判官はDNA型鑑定の結果に絶大な信用を置いているのだ。

私が過去24年ほどの弁護士経験の中で1件だけ、本気で無実と信じ、無罪を主張した事件があった。目撃者もなく、被害者が事件直後に警察官に描いてもらった似顔絵は犯人とされた人物と似ても似つかない容貌であり、被告人は一貫して無罪を主張し続けた。検察側の提出した証拠らしい証拠は、被害者から採取した綿棒に付着していた体液のDNA型と犯人とされた人物のDNA型が、県警の科捜研の鑑定の結果、一致したという鑑定書くらいだった。

DNA型鑑定の対象物には検査資料の汚染などがあり得るため、私たち弁護人は再鑑定を求めたが、警察は鑑定資料とした綿棒を裁判開始前に廃棄していたため、再鑑定は不可能であった。

地裁の裁判官はその点を全く問題にせず、有罪判決を下し、控訴審の高裁裁判官も、綿棒の保管方法について警察に問題はあったと指摘しながらも、鑑定書は信用できるとして、有罪判決を維持した。

再鑑定できなくしたのは警察なのに、その警察が提出した鑑定書がどうして信用できるのか、最高裁に上告したが、有罪判決が覆ることはなかった。

あの事件に関わった裁判官たちは、DNA型鑑定に不正があったという今回の報道に接して何か思うのだろうか?

 
 

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