宮崎県弁護士会所属の弁護士が、本来、依頼者に引き渡すべき預かり金330万円を依頼者に渡さず、着服していたとのことで、弁護士会長らが謝罪する場面を放映するニュースを見た。
弁護士による依頼者からの預かり金着服事件の報道は毎年全国で発生しており、所属弁護士会から懲戒処分を受け、さらに業務上横領罪で刑事責任を問われる場合もある。
依頼者からすれば、自分が依頼した弁護士を100%信頼・信用しているはずなので、その弁護士から裏切られたことによるショックは想像を絶する。
弁護士は、他人のお金を預かることが多い仕事であるから、売上が少ない月が続くと、「事務所の預金」口座が底をつきそうになり、「依頼者からの預かっているお金」の保管用の口座からいくらかでも流用して、借金返済や経費(事務所の賃料や職員の人件費など)の支払いに充てて急場をしのぎ、いずれ売上が回復したら、流用した分を「依頼者からの預かり金口座」に戻せばいいという誘惑に駆られる。
それを防ぐために、日弁連は、「事務所の預金口座」と「依頼者からの預かり金保管用口座」を作って、厳密に区別するよう全弁護士に指示しているのだが、結局、2つの口座を作っても、それを厳密に区別するかどうか(流用しないかどうか)は、その弁護士にかかっているというのでは、不十分である。外部の第三者によるチェックが必要だと思う。
ちなみに、当事務所は、税理士事務所に3か月に1度、すべての通帳の入出金と入出金の明細を記録した帳簿をチェックしてもらう四半期監査をお願いしており、万一私が流用などすれば即座に、当事務所の経理担当者と税理士事務所に見抜かれてしまう体制ができているので、ご安心を。