top of page
検索

女子高生強盗殺人未遂事件

  • ookoo-ro
  • 2024年11月14日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年11月25日

本日、宮崎地裁で、今年1月、27歳の男が、住居に侵入して、制服や下着等を盗んだところ、寝ていた女子高生が目を覚ましたと思って、女子高生の背中をアウトドアナイフで刺したという強盗殺人未遂事件の裁判員裁判の初公判が行われたとのニュース報道を見た。

被告人は、事実関係を認めているから、争点は有罪無罪ではなく、量刑、つまり刑罰をどれくらいの重さにするかという点だ。

刑法では、強盗殺人罪の刑は、「死刑か無期懲役」しかないが、未遂罪の場合は、裁判官は、刑を減軽することができることになっている。

刑の 減軽とは、刑を軽くするということで、「死刑」を減軽すると無期懲役か10年以上の懲役刑に、「無期懲役」を減軽すると7年以上の懲役刑になる。

弁護人は、「未遂罪」だから刑を減軽すべきだという主張と、被告人は犯行時、「泥酔」していたことを理由に、もう一段、刑を減軽すべきだと主張するようだ。

泥酔していたのだから刑を軽くすべきだという主張は、しらふのときに冷静に犯行に及ぶのと比べて、卑劣さ、悪質さが小さいとか、非難の程度が低いということ、平たくいうなら、「酒に酔っていたんだから大目に見てあげてよ」という弁解を前提にしている。この前提は、法律家にとっては暗黙の前提のようだ。

しかし、寝ていた女子高生の立場からすれば、犯人が泥酔していたからその刑を軽くするという理屈は、到底受け入れられないだろう。

私も正直、そのような前提は受け入れられないという感覚である。

市民から選ばれた裁判員に「泥酔の弁解」が通用するのか、どの程度響くのか、今後の検察官の求刑と裁判所の判決に注目だ。


 
 

最新記事

すべて表示
弁護士の横領事件

宮崎地裁で6月25日、宮崎県弁護士会の弁護士の横領事件の第一回公判が開かれた。検察官が朗読した起訴状記載の「被告人は(中略)1400万円を着服した。」という事実について、認否を求められた被告人または弁護人は「着服とはどのような行為か明確でない」という理由で、認否を留保したそ...

 
 
T2練習機の訓練再開

自衛隊のT2練習機が墜落事故を起こしてから1カ月が過ぎた。 自衛隊は、点検が終わったので、訓練を再開すると決めたそうだ。 墜落の原因は究明されていないのに訓練を再開するということは、再び事故が起こる可能性があるということだ。 ...

 
 
拘禁刑の導入について

6月1日から拘禁刑が導入された。明治時代から100.年以上存続してきた懲役刑と禁錮刑を廃止し、拘禁刑に統一した。 刑罰を「償わせ、懲らしめる」から「教育更生による再犯防止」に変更するそうだ。 拘禁刑では、受刑者の状態や特性に応じて24に分類し、きめ細かい処遇を行う。例えば、...

 
 
bottom of page