ここ最近、鹿児島県警のトップ・最高責任者である「本部長」が鹿児島県警の警察官による不祥事(犯罪)について捜査を指示せず「泳がせておけ。」と部下に指示したとか指示していないとかいう隠ぺい「疑惑」報道が続いている。
そのような疑惑が明るみに出たのは、鹿児島県警のナンバー2の責任者である「部長」が、県警の内部資料をある記者に提供したこと(情報漏えい)を理由に、公務員の守秘義務違反の罪で逮捕・勾留された事件について、部長がそのような資料提供をした動機について、県警の身内の犯罪についての本部長の隠ぺい指示を公にしてほしいとの思いからやった旨説明したからだ。
警察や自衛隊、行政機関など国家権力の機密情報を外部に漏らせば、守秘義務違反として処罰されるのが法律の建前だが、権力組織内の悪事を暴こうとすれば、組織内の機密情報を公にする必要がある。
機密情報を公にした場合、どんな事情があっても処罰を免れないということになれば、国家権力の内に隠されている悪事を暴くことは不可能になってしまい、国民全体の不利益となる。
この点、本部長は、隠蔽を指示した事実は「一切ない」と弁明しており、現時点で真相は不明である。
しかし、いずれ部長が有罪か無罪かについて刑事裁判で争われる。
裁判の場では、当然、部長の弁護人は「部長は県警の隠蔽の事実を明らかにするため、つまり公益のためにしたことであり、違法性がないから無罪だ」と主張するであろうし、検察官は、「本部長による身内の犯罪隠蔽の事実はないから、公益を図るためというのは部長の言い訳にすぎない。当然違法であり、有罪だ」と主張するだろう。
刑事裁判でどのような事実が出てくるのか、それを踏まえて、担当裁判官は、どのような判決を下すのか、今後も目が離せない。