2月7日、カリフォルニア州の連邦地裁が、水原氏に対し、大谷選手の口座から約26億円を騙し取ったとして、検察官の求刑どおり禁錮4年9カ月と大谷選手への26億円の賠償を命じる判決を下したそうだ。
水原氏の弁護人は、ギャンブル依存症という病気が原因であることや大谷選手から支払われる通訳の仕事に対する報酬が安くて経済的に困窮していたこと等を理由に、禁錮1年6月が相当と主張していたそうだが、上記の通り求刑どおりの判決であった。
被害金額の大きさからして、そもそも求刑自体が軽すぎるように思うが、アメリカにはアメリカなりの量刑相場があるのだろう。
私が気になったのは、判事が、水原氏が判事宛に提出した手紙の内容について、「信用できない」として、情状酌量をしなかった点だ。
刑事弁護人の仕事は、少しでも被告人の刑を軽くするように裁判官に働きかけることだから、私も裁判を控えた被告人に「裁判官宛に反省文を書いてみてはどうか」と勧めたことはあるが、あくまで被害者に対する謝罪の気持ちを書くのであって、言い訳と受け取られかねないことは書かないように助言するようにしてきた。
今回の手紙は、「ギャンブル依存症という病気のため仕方なかった」とか「大谷選手からの報酬が安くて経済的に困窮していたため仕方なかった」などと弁明を書いたら、判事からそれが「信用できない」と判断されたらしい。
弁護人は、なぜ言い訳を書かせたのか、なぜすぐにウソと分かるようなことを書かせたのか理解できない。
私なら、言い訳ではなく、大谷選手への心からの謝罪文を書くように助言しただろう。
結局、正直に認めるべきものは認め、謝罪し、反省するのが、刑を軽くするベストな方法だと思う。