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殺意の有無

  • ookoo-ro
  • 1月27日
  • 読了時間: 2分

最近、刺殺事件報道をよく目にする。北九州では、マックで中学生2人が刺され、長野では、駅前で3人が刺され、死亡者が出た。

殺意があれば殺人罪で、殺意がなければ傷害致死罪で処罰されるが、殺人罪の最高刑は死刑なのに対し、傷害致死罪の最高刑は懲役20年止まりだから、被疑者の中には、とりあえず「刺したのは間違いありませんが、殺すつもりはありませんでした。」と弁解し、殺人罪での処罰を免れようとする者もいる。もちろん本当に殺すつもりなどさらさらなく、怪我させるつもりで刺したら、予期に反して死亡させてしまったという者もいる。

裁判官は、殺意という本来、心の中の状態について、その有り無しを決めて、判決を下すという難しい判断を迫られる。

その際、被疑者の弁解内容も参考にはされるが、それだけでなく、刺した部位が首や胴体なのか、手足なのかや、凶器が出刃包丁や刺身包丁なのか彫刻刀のような小型の刃物なのか、恨み憎しみなどのトラブルかあったのか等、様々な事実を踏まえて、殺意の有無を認定するので、言い逃れが裁判官に通用することはほぼない。

それどころか、かえって「反省もせず、不合理な言い訳に終始した」として、刑が重くなることすらある。

犯罪に限らず、仕事上や私生活上のミスであっても、起きたことをそのまま受け入れ、変に取り繕ったりせず、自分に正直にいるのが、最善の事後処置、弁護だと思う。


 
 

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